2022/8/19
大滝沢出合駐車スペース発(6:34)→登山道→大滝沢降り口(7:06)→ホラ貝沢出合(7:40)→F5 30m滝(8:19)→F8 8m滝(9:41)→F14 10m滝(10:33)→F16 10m滝(10:47)→F17 10m滝(10:58)→終了の滝(11:10)→鞍部到着(11:29)→下降開始(11:59)→大滝沢到着(12:34)→右岸枝沢登攀(12:45)→登山道着(12:56)→大滝沢出合駐車スペース(14:04)
今年始めての沢は大滝沢支流の「ホラガイ沢」を計画した。2016年に遡行しているので6年ぶりの遡行だ。今回の目的は当時怖くて登ることができなかったF5の30m滝を登ることだ。
当日は自分には珍しく晴れ模様。大滝沢出合いに着くとすでに2パーティが準備を進めていて、大滝沢の人気がうかがえた。同行いただくKさんはすでに準備を完了している。自分は久しぶりの沢なので段取り悪く遅れ気味で準備を完了しても何か忘れているような気がしたのでチェックを入念に行いスタートする。
(▼登山道の入り口は前川を渡渉するところから始まる)
まずは前川を横断し登山道を大滝沢 大滝の落ち口まで進む。久しぶり登山なのでカラダを慣らしながら登る。無事大滝の落ち口に到着、ここからホラ貝沢まで大滝沢を遡行。
(▼大滝沢の遡行を開始する)
ホラ貝沢出合いまで30分くらいだ。途中まだ沢に慣れていないのかルートミスやその他トラブルが続出。Kさんに迷惑をかけてしまった
7:35にホラ貝沢出合いに到着。ここからが本番で滝が連続してでてくるので気を引き締めて進む。
(▼ホラ貝沢の入り口は特徴的な明るい茶色)
しばらく平坦な河原。右岸に巨岩を包んでいる木(ブナか?)がある場所を通り過ぎるとすぐにF1(8m)に到着。
(▼ブナが石を支えている)
(▼F1 8m滝)
F1は一見登りにくいように見えるが、滝の右壁の植生沿いに登ることができる。
次にF2(5m)。ここは逆に登りやすく見えるが「岩のかかり」が少なくはがれやすい植生をつかんでバランスで登らないといけない。Kさんはハンマーを差しているが深く差せないので苦労していた。
(▼F2 4m滝)
ここをクリアすると続けざまにF3(4段7m)・F4(6m)が出てくる。この2つは直登できるので難なくクリア。
目的のF5(30m)に到着。以前と比べると左壁のチムニーの上部に草がついていて、なんとなくそこから行けそうに見える。
(▼F5 30m滝)
チムニーを少し登り近づいてみるが残念ながら草がはがれやすく、かつ途中から草がつながっていないようだ。少なくても自分には登るのは難しそうだ。そこで以前トライできなかったスラブを再トライすることにした。よく見ると以前より岩のかかりがよく見え、なんとなく行けそうな気がする。今立っているチムニーの深い部分にハーケンを2枚打つ。石がもろく深く打っても外れそうになるがなんとか落下方向に効いてくれそうな角度に打てた。ここからトラバースを開始する。注意が必要な箇所はこの場所から流心方向への3m程度のスラブ横断だ。ブラシで壁のヌルを取りながら1歩ずつ歩を進める。なんとか緊張のトラバースを渡り切り、安全地帯へ到着することができた。すぐに灌木にビレイをとりKさんを笛で呼ぶ。しばらく経つとKさんが登ってきた。Kさんに聞いたところ、しっかり打っていたつもりのハーケンは起点と中間支点の3本とも簡単に外れるくらいだったらしい。今回は運が少し良かったようだ。
息をつくヒマがなく滝が連続してくる。F6(2段10m)は以前は手前の小滝から巻いたが今回は気温が高いことから水線を直登する。難しくはないが手前の小滝の水流で股間まで濡れてしまい個人的にがっかり。
(▼F6 手前の小滝)
(F6 2段10m滝)
前回巻いたF7(5m)、F8(8m)も今回は直登できた。
(▼F7 5m滝)
(▼F8 8m滝)
ボーリング跡のような穴からでる色違いの温泉の吹き出し口を過ぎるとF9(5m)になる。ここは右岸から巻く。
(▼色違いの温泉が出ている)
(F9 5m滝)
F10(2段20m)は下段左岸を自分は直登。だがKさんはあえて水線を直登した。寒さがニガテな自分にはムリだ、スゴイ。上段は右岸から登る。
(F10 2段20m)
(KさんはF10をあえて水線突破する。そして写真を撮れと強要してくる・・・)
F11(4m)は難しくないが、右岸の壁がおもしろそうだったのでそちらを選択。普通は左岸から登ると思う。特徴的なF12(3段10m)は最上段のハング滝は下部のえぐれが以前よりかなり深く切れ込んでいると感じた。ここはいつ落ち口が崩壊しても不思議ではないと思う。上から眺めるときは注意が必要だ。
(▼3段10m滝 最上段がハングしている)
F13(10m)は手前の右岸に廃坑跡が見える特徴のある滝。正面遠景にはとがった岩山も見えて思わず写真をとりなくなる景色だ。ここ滝の中心付近バンド沿いを直登できる。
(▼13 10m滝 正面上に岩塔)
小さな小滝が連続したあとにF13-2(4m)(以前の記録でカウント漏れしてしまったため便宜上F13-2とする)がでてくる。ここは水線直登は難しく特徴的な大きなコケが繁茂している左岸から巻いた。ここのコケはあまり荒らしたくないのでソッと登る。
(▼F13-2 4m滝)
F14(10m)は左壁から登った。以前は左岸のバンド帯から巻いたが、左壁でフリクションがとても効いたので難しくなく登ることができた。
(▼F14 10m滝)
(▼F14 Kさんが「行けそう」とトライ中)
その後F15(4m)をクリアしF16(10m)にたどりつく。F16(10m)はクライミング向き。空身でハーケンを何枚か打たないと登れそうにない。今回も前回と同様右岸上部のバンド帯からクリアする。ただ以前よりバンド帯が崩れてきているのでトラバースには注意が必要。
(F16 10m滝)
F17(10m)は流心の右壁を登ることが可能。今回はロープ無しで直登したが、高さがあるので中間支点があればより安全に登れると思う。ここも以前は巻いたところだ。
(▼F17 10m滝)
(▼F17 Kさんここも率先してリード。
リーダー完全に交代です)
(▼F17 Kさん貫禄のドヤ顔)
その後もいくつかの小滝を超えて途中から右岸の支沢に入り、久蔵森小尾根の鞍部を目指す。
(▼終了の小滝)
(▼小滝右側の枝沢の入り口)
カラダが疲れているので、ちょっとしたササヤブも疲れにこたえる。無事鞍部到着し、ここでお昼休憩。鞍部はクマか何かの動物が広場として使っているようで、この周辺だけ木や草が倒れていた。
(▼久蔵森小尾根の鞍部)
休憩を終了しここから沢沿いに下る。カラダが疲れているのか下りで転びそうになることが多かった。
(▼沢を下る)
大滝沢に到着し少し遡行して右岸のゆるやかな台地を登ろうとしたところ、Kさんから「少し下降すると良い登り場があるようだ」というアドバイスがあったので下降を開始する。
(▼大滝沢を下る)
だが地形図にあるような良いポイントがなかなかない。地形図ではそれほど傾斜がないように見えるが、実際は急な斜面が続いている。意を決して登れそうな階段状の支沢の滝を登ることにした。難しくないように見えたが、ヌルと冷水で自分には今日最難関のクライミングとなった。
(▼大滝沢右岸の枝沢 階段状だが勾配が立っていて怖かった)
ここを登ると登山道に到着。
(▼登山道着)
(▼登山道を下り前川を渡渉中。目の前は車道だ)
登山道を下り駐車スペースに到着すると、単独遡行者のクルマがなくなり別のクルマが駐車されていた。やっぱりこの場所は人気が高い。Kさんも自分も午後は用事があったのでこの日はこのまま解散し帰路についた
(▼地図)
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